人に“甘える”っていけないこと?

臨床心理士 米村高穂

   最近のカウンセリングの中で「人に“甘える”ことっていけないことなの?」という質問をされます。例えば、親が子どもに対して「そんなに甘えてたら、大人になって一人でやっていけないよ」と言ったり、会社の上司が部下に「それは“甘え”だよ。そんなことで甘えてたら、一人前になれないぞ」といった感じです。

親や会社の上司がこんなふうに言う理由は大体同じです。つまり、“甘える”ことで、“自立ができなくなる”という考えからです。果たしてそうでしょうか?私は、働いている大人の方の相談を受けますが、こんなふうに答えています。「いえいえ、あなたの場合は、むしろ“うまい甘え方”が十分に身についていないんですよ。仕事って、わからないことを“聞く”“相談”したり、自分ではできないことを“お願いする”ことが多いですよね?あなたの上司や同僚もそうして仕事をしていませんか?“うまく甘える”ことも、実は大切なことなんですよ」。皆さんはどう思われますか?

但し、だからと言って極端な“甘え”は考えものです。例えば、子どもが親にたくさんのお金を要求したり、暴力ということを許容してしまったり…。こういう場合は、やはり専門家に相談した方がよいでしょう。何事もほどほどが大切なようです。「ニュースレター第12号」より

 

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