「自分が正しい」と思っていませんか? 自分が「良いことをしている」と思っている時こそ、周囲の考えを取り入れよう。

人の支援や教育に関わっていると、相手を思うあまり熱量が上がることがありますが、中にはいきすぎた指導がハラスメントや虐待に繋がることがあります。しかも、加害者側に直接問題を指摘しても自分の非を認めなかったり、気付いていないケースもあるようです。そう言われて皆さんが思いつくのは、昨今ニュースで取り上げられている知事や市長のハラスメント問題ではないでしょうか。中には、罪の意識があるのか疑うような態度もあったのは、大変印象的だったと思います。このように、人は、自分がやっていることは良いことだと思っている時こそ、視野が狭くなり自分の間違いに気づけないことがあります。宗教の勧誘問題やネズミ講を勧める人も、根底にある問題は似ていると思います。

このような人に共通するのは、相手の視点や、その時代に共通する考えなどを考慮せず、自分の視点だけでモノを言っていることです。若い方が年輩世代に向ける「それは昭和の考えで、令和には通じない」という違和感も、年輩世代が自分の経験だけで言っていて、価値観をアップデートできていないからかもしれません。「不登校は甘えだ!」と言う人に、どれだけ説明しても伝わらず、傷ついた経験をされた保護者もいらっしゃるでしょう。

私は、このような一方的な人を「自分のモノサシだけでモノを言う」と表現しています。このような方への理解活動は不毛に終わることが多いようです。このため、「せめて自分だけは」と考えるのも一つではないでしょうか。「自分は正しいんだ」と、自分のモノサシだけで考えている状態に陥っていないかを振り返ることが大切でしょう。世の中に絶対ということはあり得ないですし、相手にもモノサシはあるわけですから、自分のモノサシだけでは限界があると思います。一所懸命になれば、どうしても自分のモノサシだけで突っ走りやすくなるのは誰でも起こりえることです。だからこそ、「こうした方がいい!」と断定的な物言いをする人ではなく、冷静に多面的にアドバイスをしてくれる人に相談するのが良いかもしれません。積み重ねてきた人生経験も貴いですが、大切だからこそ縛られて見えにくくなることもあるでしょう。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA