先生やスタッフが子どもを治してくれるんでしょうか!?

私はカウンセラーという「専門家」として悩みを抱える人たちの話を聴いていますが、このような質問を受けることがあります。悩みを抱える人からすれば藁にもすがりたい思いになっているわけですから、専門家がバシッと治るような助言をしてくれる期待を持つのもごもっともです。しかし、残念ながら一回だけで問題が解決することはまずありません。ここで大きなすれ違いが起こることがあります。保護者は大切な我が子のことを何とかしてくれると思って相談したら、「今は無理せず休んだ方がいい」「辛い気持ちを聴いてあげた方がいい」と抽象的なアドバイスをされます(もちろんこれも意味があるのですが)。そうすると、保護者としては「専門家に相談しても何も解決しなかった」と、専門家への相談をやめてしまう人もいます。「専門家が治す」という誤解が生んだ一種の悲劇かもしれません。

私はこのような質問を受けた時には、第一に頑張るのは本人であること、そしてその周囲にいる家族・学校・専門家が本人の状態や特性を理解し、専門的な知識も参照しながら、現実的なサポートをすることが大切であり、関係者が足並みを揃えるためにも、専門家の所へ通ってほしいことを伝えます。そして、専門家と話し合いを重ねる中で、保護者自身が混乱した感情を受け止めて貰い、支えられること、子どもへの言動の癖に気づき、「そういうことか」と自然と腹落ちすることが大切です。そのような中で、少しずつ子どものペースに合わせられるようになり、子どもへの適切なサポートができるようになっていくのです。

今皆さんが専門家に相談していて思うような結果が出ていなくても、もう少しご相談を続けてみてはいかがでしょうか。疑問に感じたことはそのまま話し合ってみると良いと思います。すぐには変わらないかもしれませんが、長い目で見た場合、小さな変化の積み重ねがやがては大きな変化になると思います。

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