第26回半田市議会報告会・意見交換会における「不登校」に関わる問題について

2020年2月1日の「はんだ市議会だよりNO.210」に次のような内容が掲載されました。

Q:いじめ不登校対策事業について、小学校の不登校が増えていると聞きますが、その原因など議員としての考えを聞かせて下さい。

A:無理して学校へ行かなくてもいい、というアナウンスが影響していることが一つの原因と考えます。

 

NPO法人子どもたちの生きる力をのばすネットワーク(通称のばす会)として次のような疑念がありましたので、半田市議会議員の皆様、文教厚生委員会の皆様宛に2月19日次のような3つの質問とお願いの文書をお送りしました。その後、4月3日に半田市議会議長石川英之氏より回答がありましたので、質問と回答の要旨をお知らせします。

 

1 質問の要旨

①「アナウンスが影響して」と原因の第一番目に挙げられた回答のご主旨をお伺いしたい思います。不登校になった子どもたちは学校に行きたくても行けずに苦しんでいます。また、保護者たちも学校や周りからの圧力で苦しんでいます。いじめから自殺に追い込まれた子どもや保護者の気持ちを「アナウンスの影響」という言い方で覆い隠して、軽んじていると考えます。そして、「無理して学校へ行かなくてもいい」という本会のようなフリースクールなど学校以外の場での「アナウンス」が原因だと非難しているように受け取れますが如何でしょうか。

②「無理して学校へ行かなくてもいい」という指導理念は、不登校児童生徒への指導方針として、国・地方の教育行政や民間のフリースクールなど全体として、今や常識のことと考えます。不登校児童生徒の立ち直りには、自己肯定感を持ち将来の自立を促すため、先ずは、生きようとする意欲とエネルギーを培うことが肝要です。そのため子どもの「休養の必要性」に着目し、それに対応する「多様な教育を受ける機会」を設け基礎学力獲得のための学習機会にも配慮して、国は平成28年、「教育機会確保法」を制定しました。不登校の児童生徒の実態と、彼らの本当の苦しみを配慮するよりも、一日も早い学校復帰を優先したため、かえって問題をこじらせる例があとを絶たず、行政もNPOもその対応のため話し合いと研究を進める中、子どもたちの休養の重要性にたどり着き、教育機会確保法の制定に繋がったと認識しています。この法律に示された内容は、文部科学省と国及び半田市など地方の教育行政と、私ども、フリースクール等民間機関が共に共有してきた共通の価値観だったと思いますが、如何でしょうか。

③そのことは、仮に紆余曲折があっても半田市の教育行政と「のばす会」の今日に至る実践の経緯を見ても明らかではないでしょうか。のばす会としては半田市や教育行政との関係は「多様で適切な学習活動の重要性」と「不登校児童生徒の休養の必要性」を互いに認め合いながら続いてきたと考えていますが如何でしょうか。子どもたちに寄り添い日々の実践を積んできた私たちとすれば、今回のこの回答は到底見過ごすことができるものではありません。

2 半田市議会議長石川英之氏からの回答要旨

①決してそのアナウンスに異を唱えるものではありません。不登校の悩みの深刻化を防ぐため、無理して学校へ行かなくてもよいとすることが、一つの手法として社会的に認知されていることを理解しており、その結果が数字上に反映することもあるという意味で説明したものです。

②貴団体が不登校問題に関し、大変重要な取り組みをしていただいていることを認識しており、市議会としましても、この問題にしっかり向き合い、その対策を講じることが本市の明るい未来につながると考えております。

③文字数の制限もあり、発言の内容を正確にお伝えできなかった点については、お詫びいたしますとともに、今後もわかりやすい紙面づくりに努めてまいります。 (回答要旨作成のばす会)

3 のばす会の見解

今回の発言内容につきまして、のばす会の疑念にご丁寧お答えいただいたと思います。不登校問題に共に向き合い、取り組む必要があることを共通認識できたことは大変よかったことと思います。また、字数制限での内容は正確に真意を伝えにくい面があり、時には誤解を招くことがあることを充分理解して対応していく必要があることを改めて考えさせられました。

新型コロナウイルス感染拡大防止対策でご多忙のなかご回答いただきありがとうございました。

 

4 2月19日付け「第26回議会報告会・意見交換会における「不登校」に関わる質問に対する回答の内容についての質問とお願い」の全文

 

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