第2回不登校で悩む親のためのお助け講座

スマートメディア氾濫社会を問う ~WHO”ゲーム依存症“疾病指定から見えてくるもの~

                                              講師 浜松学院大学短期大学部教授 今井 昌彦

 

講演の話題は大きく6つでした。1つ目の「ゲーム障害(症)」については、世界保健機構(WHO)が今年6月18日、新たな国際疾病分類(ICD-11)を発表し、「ゲーム障害(症)」が正式に疾病として認定されました。今後は、いわゆるゲーム依存については単なる生活習慣としてではなく病気としてとらえ直していく必要があります。2つ目の「不寛容社会」については、SNS利用における「炎上問題」多発状況から見てとれるように、今の世の中はちょっとした行為にも攻撃が集中する不寛容に満ちた息苦しさが蔓延しています。こうした状況を踏まえた上でのSNSの活用を考えていかねばなりません。3つ目の「映りすぎ社会」については、特にスマホカメラの画素数が2000万画素を超えてきていることから静止画・動画の投稿行為に細心の注意(特に個人情報)を払っていく心構えが必要です。4つ目は「デジタル・タトゥー」の意味についてでした。5つ目の「ネットと学力」について、ここでは東北大学の川島隆太氏がこの数年、仙台市の小中学生を対象とした大規模調査の結果から得られた学習効果が薄れるというデータについて説明されました。6つ目は「多孔化社会」で、食卓でもスマホをいじり、人生で一番大切な家族そろって食べる団らん時間が失われている現状について話されました。(講演要旨)

ネット依存症の疑いのある中高校生は52万人にも上ると言われています。(厚労省)人間の欲望をコントロールする脳の前頭前野や記憶や意思決定機能の低下など、未熟な子どもたちの脳の発達が心配です。ネット依存症によって、自分の心や魂を奪われないようにするには、最後は家庭の指導力と子どもたち自身の自覚に係ってくると言わざるを得ません。

講演は見事に編集された映像の数々、臨場感ある講師の語り口、真剣そのものの聴衆の方々、アンケートもこの講演を高く評価すると同時に、懸命に講演内容に取り組む姿勢をうかがうことができました。今回の講演内容について保護者や教育関係者の関心が強く、25周年記念講演に相応しい講演会となりました。

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