気づかないうちに“決めつけ”でモノを言っていませんか?

臨床心理士 米村高穂
 「決めつけでモノを言わないで!」親として子どもの助けになりたいと思っている時、子どもに言われるとショックな言葉です。なぜこのようなことが起こるのかを考えてみました。どうも私たちは、本当は「推測」であることを、まるで「事実」のように言ってしまう癖があるようです。例えば、皆さんも「服装の乱れは心の乱れだー!」なんて言葉を聞いたことがあると思います。こんな風に言われると、「じゃあ、立派な服装をしている政治家はなぜ汚職をするのか?」なんて突っ込みたくなります。「服装の乱れは心の乱れ」というのは、おそらく誰かが自分の人生の中で経験して見つけた“1つの考え”なのでしょう。そういう点で、私は間違っているとは思いませんし、人の心を理解するのに役立つ考えとさえ思います。しかし、これは“1つの考え”であって、あくまで「推測」の領域の話なのです。それを、まるで「事実」のように言ってしまうから「決めつけている」と反発を買うのです。しかし、もし「服装が乱れている時には、心に余裕がなくなっている可能性がある」と言われれば、多くの人に受け入れられるのではないでしょうか。私たちは自分が正しいと「事実」に感じていることを、もう一度「推測」に戻してみると、また違った見方ができるかもしれませんね。

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